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zoom RSS 米の先物取引市場

<<   作成日時 : 2011/09/17 12:41   >>

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最近、講演後の質疑応答で、
質問が多いのが「米の先物取引市場」、「TPP」、「放射能汚染によるコメの不足」という3つの話題です。
前者二つについては、農協関係団体が「反対」を表明しています。

で、今日は、米の先物取引市場について、少し書いてみようかなと思います。

米の先物取引市場は、72年ぶりに今年7月から試験的に開設されました。
短粒種(ジャポニカ米)の玄米の先物市場は世界では初めてです。
タイは長粒種の精米が対象、米国は中粒種の籾が対象です。

まずは、先物取引ってどんなものなのかということなのですが、
お米は秋に収穫されますよね。
春には、まだ、今年どれくらいお米がとれるのか、品質が良いのかっていうのがわかりません。
そんなお米について、
春先に、今年の秋にとれるであろうお米を、いくれでどれだけ売買しましょうという契約をすることを、
先物取引契約といいます。
つまり、何か月後かのお米の売買を先に契約しておくわけです。
ちなみに、決済は現物(お米の引き渡し)でも可能です。

ですから、先物取引市場に、
何か月先に収穫されるお米について、
先買いしておきたい人と先売りしておきたい人が注文を出し、
価格と量について合意ができれば市場の価格が決まっていくわけです。

僕がお米の生産者だとすると、
今年の秋は豊作で値下がりしそうだなと思えば、
春先の値段が高いうちに先物を売っておくということができるわけですね。
逆に、不作で値段が上がりそうだと思えば、
価格が上がるまで待って、(収穫後と現物を)売ってしまえば良いわけです。

また、6か月後の価格が公開されるので、
値段が下がり気味だなと思えば、田植えの(種苗の購入)量を減らすことも可能です。
生産者が自ら生産量の調整を植えつけ前に行うことも可能なわけです。

どんな商品先物取引でもそうなのですが、
現物を持っている者、つまり生産者が絶対的に優位な市場だということができます。
高いリスクを持つのは、投資家、買い手なんですね。

生産者、農業界にとっては、デメリットはほぼありません。
それどころか次のようなメリットがあります。
1)公開の場で公正なかたちで価格が決まり、それが毎日更新される。
2)現物決済することができるので、手持在庫の調整ができる。
3)田植え前から秋に収穫するコメを売ることができる。
4)6ケ月先までの価格が公表されるので、在庫米を担保にして資金調達することができる。

経営意識が高く、勉強家の自立した生産者にとっては、いいことづくめですよね。
ただし、これまで自分がつくったお米の販売を他人任せにして来た生産者にとっては、
しっかり勉強して自らが売り手になる努力が必要となります。

では、なぜ、農協関係団体は反対しているのでしょうか?
反対の理由としては、「主食のコメの価格が乱高下するのは好ましくない。」という
いささか定性的な意見があります。

でも、価格が高騰すれば喜んで売れば良いだけですよね。
それに投機的な高騰が起こると、米を売利たい人が増えます。
つまり市場への供給量と売り注文が増えるわけです、
すると価格は必ず下がります。
こうして、価格はちゃんと安定する仕組みになっているわけです。
それで損をするのは、投機的投資をした人たちです。

「お米の需給状況に影響を与えるのでは?」という反対意見もありますが、
逆に言うとそれが狙いなのです。
生産者自らが国内市場だけではなく国際市場の需給状況を見ながら、
生産量を調整することができるようになるわけです。

ほかにも、「価格が長期的低落傾向にある米には向いていない」という反対意見もあります。
これも、まったく逆で、だからこそ必要なのです。
生産者が自ら生産調整することによって、価格下落を抑えることもできますし、
先売りすることで価格下落の影響を緩和することだってできるのですから。

何とも、とってつけたような反対の理由ばかりです。
だから、なぜ、反対するのか僕にはよくわかりません。
本当の反対理由、つまり本音をちゃんと言えないから、
このような?な理由ばかり並べてているのかもしれません。

先物取引の導入の大きな意義は、
生産者が直接お米を販売する機会が大きくなることです。
しかも、主導権をある程度握りながら、安心して販売できることになります。
それは、ひいては、
生産者の自立意識と国際米市場への理解が飛躍的に高まることだろうと思います。

これはあくまでも推測ですが、反対している人たちの本音は、
生産者がお米を直接販売する機会が増えることを良しとせず、
生産者の自立意識が芽生えることをできるだけ抑えたいということなのではないでしょうか?
自分たちの言いなりになる生産者でいつまでもいて欲しいというのが、
彼らの本音なのかもしれませんね。
一つだけはっきりとしているのは、
反対している人たちは、生産者の利益や未来のことを真剣に考えていないということだけでしょうか。

米の先物市場は、まだまだはじまったばかりで、
主要な売り手も買い手もまだ参画していないこともあり未成熟な状況ですが、
何とか健全な発展をするよう、生産・流通にかかわるみんなで支えて行く努力が必要だと考えています。






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