吉田誠〜空飛ぶおやじのスローライフ

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<<   作成日時 : 2013/07/03 00:31   >>

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今日は、業界紙記者へのレクチャーがありました。
お題は米の輸出について。
若い記者さんは、先日、僕の講演を初めて聴かれて目から鱗が落ちたのだとか、
今日も「初めて聴く話ばかりです!」と感激気味におっしゃっていました(^-^*)

実は、もう10年近く言い続けて来ているのですが(^_^;)あはは

僕は、日本は世界一の米の輸出国になれる潜在能力を持つ唯一の国だと思っています。
逆に言うと、そうならなければ、日本の優良な水田を維持して行くことができないのです。

日本の人口は今後半世紀で現在の人口の約半分まで減少します。
しかも、米の一人あたり消費量も高齢化や食生活の変化でどんどん減少し続けています。
このまま放置すれば、水田面積はいまの半分で十分ということになってしまうのです。

それでも、米が食べられるのだから良いじゃないかというふうにも考えられるのですが、
食糧安全保障上は、いざというときに国民みんなが主食である米を食べられるだけの
生産力(=水田面積と技術の保持)を維持しておく必要があります。
ということは少なくとも現在の水田の約70%程度の面積は維持しなくちゃいけないということになるのです。

水田を維持するためには、
つくられた米の販路が必要です。
でなきゃ生産者が儲からないわけですから。

でも、国内市場はどんどん縮小して行くので、国内市場ではお米がいま以上に余ってしまいます。
となれば、本気で輸出するしかない、販路を国外に求めるしかないというわけです。

世界市場で貿易されている短粒種は、現在200万tしかありません。
アメリカも豪州も、ベトナムもタイもこれ以上米をつくる余力はない。
中国も、東南アジアも自国民の食べる米をつくるための増産で精一杯なのです。
年間800万tの米を生産できる日本にとっては、
今後、国内で供給過剰になる100万t程度の輸出は十分可能なのです。

問題は、国際市場での価格競争力なのですが、
実は、小売価格では既にそれほどの格差はありません。
円安の影響もありますが、諸外国の米価格が上昇し続けているからです。

一方、生産費はかなりの格差があるのですが、
日本がこれまでコストパーフォーマンスの向上に全く努力して来なかった分、
この差を縮めることは十分可能です。

政府も農業団体も、100ha規模の稲作生産者の生産費を公表していません。
(何故か15ha以上ひとくくりでのデータしか出していないのです)
実は、こうした経営体の多くは、既に玄米60kgの生産費を6,000円〜9.000円まで削減しているのです。
格差は2〜3倍まで縮まっているのです。

しかも、この数値は、
アメリカの短粒種の反収が770kg/10akg、中国でさえ730kg/10aで、
日本が530kg/10aという状況での差ですから、
日本が多収米品種の生産に力を入れて1,000kg/10aをめざせば、
生産コスト面での格差も一気に縮まるのです。

ここまで、読んで来て、
でも、米の価格が下がれば、生産者が儲からなくなるのでは?と心配する方もいらっしゃるでしょう。
しかし、生産費の減少の方が大きいので、
実は、生産者の収益率はもいまより向上します。
しかも、経営規模が拡大しますから、収益額も増えるのです。
つまり、生産者はいまより儲かるわけです。
一石二鳥の効果を生むことになります。

もう一つ、見逃してならないのは、
インディカ米よりも短粒種の方が食味が良く、粥などの料理も簡単であり、
価格が同等なら安全で美味しい短粒種を購入することになると予想されることです。
長粒種の方が焼きめしに向いているとか言っている方は、
料理をしたことのない人か、米のことをよく知らない人です。
料理の仕方一つですし、短粒種にもパラパラ感のある品種はいくらでもありますからね。

もちろん、生産者の意識変革や、地域に適合した多収品種の選定、
栽培技術の見直し、馬鹿げた消費者の単品種嗜好の消滅、
圃場区画の見直しなど生産分野でのイノベーションが必要になります。

また、ターゲットとなる国の事情で、
精米、玄米、籾、加工品のどのタイプで輸出するのかも変わって来ますし、
籾摺、精米、物流の効率化という流通過程でのコスト削減という大きな課題もあります。

このように本格的な輸出までにはクリアしなければならない課題は多いのですが、
日本農業ビジネスのためにも、日本の国土保全のためにも、世界の食糧供給のためにも、
是非、最期の仕事としてやり遂げたいと思っています。

いま、販路確保のための詳細で具体的なマーケティング、
常温流通が可能な加工品の開発、
多収品種の選定、
流通の効率化など、
様々な検討作業を生産者、実需者、中間流通事業者、資材メーカーなど
多くのひとたちと一緒に進めているのですが、
少しずつみんなの本気度が上がって行くのを感じています。

これまでの、
高いブランド米をより高く売りつける、日本の食文化を押しつけるといったような
パーフォーマンス先行の「輸出ごっこ」(ごめん、ちょっと失礼かな(o_ _)o)ではなく、
戦略的でビジネスとして持続性のあるプロジェクトに仕立てたいと思っています。





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