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zoom RSS 農産物輸出の課題

<<   作成日時 : 2013/12/14 13:32   >>

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いま、日本の農業ビジネスを取り巻く環境は大きく変わろうとしています。
その中でも、最大の変化は、国内の農産物市場が縮小し続けているという事実です。その要因である人口の減少と高齢化、そして食生活様式の変化などの問題が解決しない限り今後も加速度的に進むものと予想されます。こうした中、すべての農業関連業界において再編・淘汰が進んでいます。まさにサイバイバル状況だと言えます。

この状況の中、事業の持続、事業規模の拡大、農地の保全活用、雇用の維持のためには、新たな市場を国外にも求めるほかなく、これまでとは次元の異なる本格的な輸出事業の展開が不可欠となっているのです。

わが国の農産物輸出額は2,600億円、輸入額は4兆5,000億円です。圧倒的な輸入超過となっています。この理由としては、穀物、油脂、砂糖などもともと輸入依存度の高い食料の消費量が急激に拡大したこと、円高傾向が続き国内市場の需要が拡大し続けていたため輸出志向が生じなかったことなどを指摘できます。こうした状況が長く続いた結果、閉鎖的で特異な体質が出来上がってしまい、国際市場での競争に打ち勝っていかなければならなくなった現在、大きな障害となっています。

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その一つは、高コスト体質による価格競争力の脆弱さです。コストパーフォーマンス向上のための努力を怠たり、販売価格の上げ下げに一喜一憂して来た結果だと言えます。投下資本当たり、従業員一人当たり、面積当たり、重量当たり等の収益率をいかに上げるかという意識転換と努力が必要なのです。

また、農家、JA,自治体などの属地性ゆえに生まれた産地間競争を国外にまで持ち出していることも大きな問題です。海外のバイヤー側からすれば、日本側の産地同士が競争してくれるのですから価格交渉が容易になります。日本の輸出農産物の価格が、数年後には必ず下がってしまう要因になっています。やはり品目別の全国的な生産者組織が必要ですね。

もう一つは、事業の持続性・拡大性が低い高価格帯市場狙いのニッチなスモールビジネス志向ばかりが目立つことです。しかも、産地や経営体ごとに事業展開するため、ロットが少なく、どうしてもオーバーコストとなってしまいがちです。

さて、輸出の可否は、きわめてシンプルな経済合理性に帰着します。輸入側の動機は次の5点に絞られます。
@消費需要はあるのだが、気象条件等により国内で生産できない。
A消費需要はあるのだが、気象条件等により国内で生産できない時期がある。
B国内の生産量だけでは国内消費需要を満たせない。
C国内で生産できるが消費需要に応じた品質(安全性含む)のものができない。
D国内で生産可能だが、日本で生産した方が初期投資や生産費が安い。

こうした現実的なニーズがあれば、輸出事業の具体的な検討を始めることができるわけです。その検討の中で重要なのが、マーケティング調査の精度とリスク・マネジメント、コスト・マネジメントの徹底です。

特に留意すべき点をあげてみましょう。
@持続的な需要の有無、
A対象国内はもちろん国外の競合他社との競争での優位性の有無、
B最も有効な販促方法、
Cサプライチェーンを構築するための信頼できるビジネスパートナー、
Dすべての事業リスクとコストの整理と把握、
E相手国内での生産事業との事業優位性の比較。
これらを綿密かつ具体的に、リアルに確認することが重要です。

また、つい忘れがちなのが、自らの対応能力の評価です。
@事業の運営能力はあるのか。
Aニーズに対応できる生産能力はあるのか。
B価格競争力を持つことは可能か。
C経営全体への影響はあるのか。
などを客観的に自己評価することが重要です。先行事例があるようなら、本当に収益をあげているのか、数年後も堅調に継続できているのかなど経営実態をよく調べてみることが重要です。

以上、概略だけを述べましたが、参考になりましたでしょうか。輸出事業は、日本農業の持続と再生のためには不可欠なチャレンジです。また、日本農業のイノベーションにつながるプロジェクトでもあります。慎重かつ大胆にトライされることを期待しています。

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