吉田誠〜空飛ぶおやじのスローライフ

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zoom RSS オランダの奇跡〜前編

<<   作成日時 : 2014/03/14 20:40   >>

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オランダの施設園芸に関しては様々な本やレポートが出されていますが、なかなか「なるほど」と納得の行くものがありませんでした。
やはり、生産の現場も、流通の現場も、ましてやビジネスを知らない学者さんやお役人さんには、本質を見抜くことは難しいのだろうなと思います。

今日は様々な分野のビジネスマンによるブレストに招かれたのですが、そのthemeの一つがオランダの施設園芸でした。
活発な意見交換がなされたのですが、流石に問題の本質をついた拝聴に値する指摘ばかりで、実のある時間となりました。

特にある方の言葉が印象的で、簡潔に本質を言い表したものでした。
「オランダの施設園芸(日本では無意味な“植物工場”という名前がつかわれています)が成立しているのは、ある意味奇跡に近い。」

つまり、オランダではあらゆる必要条件が揃ったからこそ成立しているビジネスモデルで、まったく条件、環境のことなる日本で簡単に成立するわけがないというのです。
オランダを視察し、中途半端な知識を得て、日本にも何とかバレーや何とかクラスターをつくるべきなどとおっしゃってる学者さんやお役人さんには、この言葉が持つ深い意味は多分理解出来ないのでしょうね。

では、オランダの奇跡を可能にした要件をわかりやすく整理してみましょう。
@日照時間、積算気温が不足する気候のため、露地栽培での生産に依存できない。
A耕地面積が少なく露地栽培に依存できない。
B5億人の人口を抱えるEUという高い購買力を持つ巨大市場に隣接している。(の中にある。)このため高価格形成が可能であり、物流コストも抑制できた。
C施設設備に関する技術・知識のベースとなる、植物生理学、栽培技術の長年の歴史的蓄積、科学的蓄積がある。
D実需者(小売民間企業)が産学官の連携をリードしており、研究開発がマーケットインによるサプライチェーンを前提とした実践的なものとなっている。
E生食市場仕向けの品質の高い製品をつくれる露地栽培産地がなかった。(南欧の産地の技術は生食仕向けに関してはさほど高くなかった。)
F小売企業が牽引し、GAPや有機認証など“安全神話”をつくりあげた。これらは、南欧や海外諸国に対する参入障壁であり、非関税障壁となっている。また、高価格な野菜市場を作り上げるためのロジックづくりにも役立った。
G施設設備システムを売るビジネスモデルの前に野菜を売るというビジネスモデルの構築に重点を置いた。
Hマーケットインによる流通、生産、生産資源(施設、設備、ソフトコンテンツ、栽培技術、管理技術、種子、肥料、農薬)に関する一貫した研究開発がなされた。
I農協など既得権益団体がなく企業経営スキルを生産現場に導入できた。
J閉鎖的な市場ではなかったため、地域農協や産地間競争という国際市場参入を阻害する制度や意識が存在しなかった。
K戦略性のない補助金のバラマキはなく、生産者も資材メーカーも学者も補助金依存意識が低い。
L人手を要する過程には移民の安い労働力を使える。
ビ
否定的要因もあれば肯定的要因もあり、自然要因も歴史的要因も人為的要因もあります。
これらの条件すべてが揃っているからこそ成立しているのです。

後編では、じゃあ日本はどうなのかということについて、書くことにしましょう。



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