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zoom RSS コメの需給状況が改善しない理由

<<   作成日時 : 2014/09/20 00:37   >>

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新米の季節となり、米の価格が急落しています。
各地域のJAの仮払金が出揃う中、ほとんどの地域で過去最安値を記録。
取引価格も7,000円〜8,000円台まで下落しました。
予想以上の下落幅です。

その原因はもちろんコメの供給過剰にあります。
正確な数値は不明なのですが、少なくとも100万トン以上の供給過剰が毎年続いている状況です。

今回は、25年産が余っている中、26年産米が豊作となり、さらなる供給過剰が確実となったため、大幅な下落となりました。
政府や全農は、毎年のように市場隔離策を打ち、価格の下落を避けようとしているのですが、
一向に効果を発揮できていません。

何故、需給状況が改善されないのか?

普通なら、そのような市場隔離策を行わなくても、
価格の下落がこれだけ(20年以上も)続けば、飼料用米や他の作物への転作が進むか、
小規模農家の離農がもっと増え、
その結果、需給状況が改善されてコメの価格も落ち着くはずです。
ところが、そうはなっていないのです。

その理由としてまず考えられるのは、
自給的農家と兼業農家が多い日本独特の状況です。
彼らは、赤字でも関係なく、働ける限りコメをつくろうとします。
そして、彼らは、農協の組合員であり、政府から補助金をもらっている農家でもあるのです。
こうした小規模農家を手厚く保護する一方で、
コメの需給状況改善のためにも税金を使うという矛盾した農業政策をとっているのが日本なのです。

コメの供給を減らすには、
後継者がいない農家が高齢となり、やっとコメ生産をやめ、
彼らの農地の相続人が土地持ち非農家になるのを待つしかないわけです。

もう一つ考えられる理由は、
前述したJAの仮払金制度です。
仮払金は、今年の米はこれくらいの価格で売れるだろうという見通しに基づいて
支払われる前渡金だということになっています。

しかし、実態は精緻な分析に基づいた合理的な見通しにより決められているわけではありません。
平成23年度、24年度の仮払金額を見ればそれは明らかですよね。
供給過剰状態が続いているにもかかわらず、仮払金を2年連続で大幅に引き上げたのです。

僕たち流通業界では、23年度の時点で、
「これは何と無謀なことをするんだろう。25年度は間違いなく大暴落する。」と予想できました。
そうした予測をきちんと出来た流通事業者は損はせずにすんだはずです。
しかし、ここまで下落すると、生産者も流通事業者もwin winの関係で収益を確保することが困難です。
蓄えがなく、キャッシュフローが止まった瞬間、倒産することになりかねません。

まさしく、この不合理な仮払金制度が、
市場価格の混乱を引き起こし、価格下落に拍車をかけていると言っても過言ではないと思います。

本来、市場原理からすれば、
自給的農家や兼業農家など生産の舞台から退場すべき人たちが退場しないために、
専業農家が立ち行かなくなっているというのが今の日本のコメ農業の現実なのです。

しかも、本来、国民に食料を供給する中心である専業農家を守るべき政治、行政、JAが、
自らの保身のために小規模農家を保護し、
逆に専業農家を生産の舞台から退場に追いやろうとしていると言っても良い状況なのです。

さらに、農業のビジネスとしての本質をわかっていない学者、評論家、文化人、報道関係者などの都会人が、
ロマンティックな想いからこうした小規模農家保護政策を支持して来たのも事実です。

設備投資や人件費などの固定経費負担が重い中規模、大規模な専業農家ほど、
苦しい状況に追い込まれるている日本の農業。
こんな農業政策を続ける国の農業に未来はあるのでしょうか。

残された道は、
生産者同士と生産者と民間企業が本気で連携し、
自らの力で新たな道を切り拓くことだけなのではないか、そう思うのですが…。
生産者は果たして勇気ある一歩を踏み出せるでしょうか?
民間企業は果たして農業の本質を理解し、大胆な一歩を踏み出せるでしょうか?

※FBニ「リンクしたところ、
「輸入米の影響はほとんどないのでしょうか?どんどん輸入しているからっていうのが地元の米農家の間でよく聞く話ですが。実際どれだけの米を輸入しているかって個人でも簡単に知る事が出来るんですか?」という質問がありました。
確かに気にかかるところですよね。

コメの輸入は政府管理になっていて、輸入量の上限も77万トンと決まっています。(MA米、SBS)この上限量はこれまで変わっていません。国内での販売価格も政府が入札で決めます。
一定量を輸入するから、国産米を高い関税で守るのは許してねというバーター策だと言えます。

その枠内で実際に輸入量される量は国内のコメ価格との比較で変わります。国内産が高いときには増えるという傾向にあります。
23年、24年は国内の米価格が上がったので、上限枠一杯の77万トンが輸入されましたが、少ない年だと50万トン程度になります。また、ほとんどが加工用米(菓子、みそ、泡盛など)など新規需要米に使われる長粒種で、主食用の中粒種、短粒種は10万トン以下にとどまっています。

24年に西友などが主食用米を輸入しましたが、ほとんど売れていません。
というわけで、輸入米の量や価格は国内産の米価格には、全く影響していないというのが現実ですね。

輸入量は公表されています。次のデータがわかりやすいと思います。
http://cgi.search.biglobe.ne.jp/cgi-bin/search2-b?search=%E6%A4%9C%E7%B4%A2&web_s.x=1&q=MA%E7%B1%B3%E3%81%AE%E4%B8%8A%E9%99%90&bt01=%E6%A4%9C%E7%B4%A2


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